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何年も前、次女を妊娠中に肛門周囲膿瘍になり、出産を経て痔ろうに発展。
良い医師との出会いで乗り越えることが出来ました。今は再発することなく過ごせています。
出産まで1カ月なのに肛門周囲膿瘍に!
お尻が腫れてズキズキ痛い!
次女を妊娠中、しかも予定日まで1ヶ月という時期、お尻の一箇所がズキズキ痛むようになった。
次の日には手でさわって驚くぐらいに腫れて、さらに痛むようになった。
場所が場所なだけに、どうしていいかわからない。
その頃、重度の貧血だった私は、毎日貧血改善の注射を打ちに産婦人科に通っていた。
その産婦人科の先生に診てもらおうか…。
決心して病院に行ったら、その日は出産ラッシュ。主治医の先生は1階の診察室と2階の分娩室を行ったりきたりで猛烈に忙しい様子。
注射をしてくれた看護師さんに話したら「先生が2階から降りてきたら聞いてあげるわよ。待っていられる?」とのこと。
恥ずかしさと遠慮が私の心を占領した。「いえ、また明日来ます。」
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痔なのだろうかと思い、情報を集めた。
痔なら、患部を温めるといいらしい。
座浴をしたり、もみほぐそうと試みたりした。でも痛い。猛烈に痛くて眠ることも出来ない。
8月の熱帯夜。のたうち回った。
翌日また貧血注射のために病院へ。
看護師さんが話してくれていたらしく、お尻を先生が診てくれることになった。
先生がうなった。
「これは、膿みだなあ。のう腫が出来ているよ。切開するしかないかなあ。」
でも専門ではないからなのか、戸惑っているようだった。
冷湿布をしてもらい、その日は帰った。
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お尻に膿がたまってる!
不安がつのる。出産に悪い影響は出ないのだろうか。
また調べてみた。「肛門周囲膿瘍」という病気らしいというのがわかった。
早く膿みを出さないと「痔ろう」という怖い病気に発展するらしい。
その夜は痛みに加えて、その不安で、またもや眠れなかった。
ダンナが何度も起き出してはタオルを冷やして持ってきてくれた。
私はものすごい痛みに耐えながら横になっているしかなかった。
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翌日、また病院へ。
先生が腫れの様子を見て「早く膿みを出さないと 痔ろう になっちゃうなあ」とつぶやいた。
でも、肛門科のある病院にかかるようには言わなかった。
妊娠中、しかも出産間近なので、先生も慎重なのだろうか。
明日、注射で膿みを取ってみると言い、また冷湿布だけ。
専門外なのに、こんなことにつき合わせてしまって申し訳ない。
その夜は下痢にもなり、踏んだり蹴ったり。
そのまた翌日。
先生が忙しかったため、貧血注射だけで帰宅。
早く膿みをとらないと痔ろうになる、という言葉が、頭の中を駆け巡る。
あせりと不安と痛みでたまらなく辛い。泣けてくる。
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痛みをしのぐには名づけしかない!
落ち着かない。
長いこと決められずにいたお腹の子の名前を、今日こそ決めてしまおう!
姓名判断の本を片手に寝転がった。(座ることは不可能なほど、患部が痛むので)
ダンナに決めてもらうハズだったが、熱中できるのはそれしか思いつかない。
女の子なのはわかっていたので、完全なる独断でとうとう決めた。
どうしても、名前で呼びかけたかったのだ。膿みを出す時に、一緒に痛みと闘う仲間・・・。
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膿みの抜き取り、そして出産
産婦人科で膿の抜き取り
翌日病院へ。患者さんがみんないなくなる夕方まで待つ。
まず、先生が太い注射針で膿みの抜き取りを試みてくれた。
しかし、そんなんでは全くダメだということになり、メスで切開。
麻酔をしたかどうかは覚えていない。
こん身の力を込めてお尻を左右から押し、切開部分から膿みを出してくれた。
なまぬるい液体が流れ出るのがわかる。
もう、痛いのなんの。でも必死で歯を食いしばって耐えた。
産婦人科なので内診の時のスタイル。
恥ずかしさは通り越してどうにでもなれ、の境地。
名付けたばかりのお腹の中の子に、この苦しさが伝わってしまわないようにと、そればかり思っていた。
お産さえ終われば、改めて肛門科で診てもらうことも出来るから、
とにかく今は、無事出産にこぎつけるようにさえしてくれれば。
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無事出産!子供も元気
その後毎日、休日も、先生は切開後の手当てをしてくれた。
専門外の産婦人科医なのに、よくやってくれたと思う。心から感謝している。
出産時、ヘンな菌が赤ちゃんにくっついたりしないかと心配したが、無事に出産は終えた。
また痛み出した
出産して2ヶ月たった頃、またお尻が痛み出した。
腫れは無いが、妙なしこりがある。切開痕の痛みとは違う。
これは痔ろう になってしまったか?と思ったものの、
強烈な恐怖と恥ずかしさで、肛門科のある医院に行けない。
かといって、また産婦人科に行くわけにもいかない。
そのまま日にちだけが過ぎた。
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痔ろうになってしまっていた
とうとう肛門科デビュー
不安なまま数週間たった頃、太ももに変な湿疹が出来た。
素人判断でどうの出来るようなシロモノに見えなかったので、
近所の皮膚科に行ったら、そこのおじいちゃん先生が首をかしげている。
「なんだろうなあ、じんましんではなさそうだけれど…。」
専門家にもわからないのか?と気味が悪くなり、
「お尻の膿みが関係あるのかなあ」とつい口に出して言ってしまったら、
先生がすぐに反応した。
なんせそこは皮膚科と肛門科のある個人医院、その先生は肛門の専門家だったのだ。
「なに?お尻の膿み?
ちょっと診察室を移動してもらっていい? 診てみないと」と先生。
ああ、肛門科と皮膚科がある病院でよかったーと、心底思いながら移動。
肛門科では、こういうスタイルで診察を受けるのね..!と思っているうちに
先生が叫んだ。
「ありゃりゃー!こりゃあ切らないとー。痔ろう になっちゃってるよー!」
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いよいよ痔ろうの手術
先生は「入院しなくてもレーザー手術なら通いで治るよ。少し高いけれど。」と言う。
保険でなんとかなるのを確認してレーザー手術を予約した。
20日後、やっと手術。(混んでいるらしい。こういう所も)
麻酔がなかなか効かず、ものすごく痛いし、おまけにオペはおじいちゃん先生ではなく、私と同年代の息子。
身の置きどころもないぐらい恥ずかしい。
痛いのをグッとこらえていると、看護師さんが
「我慢強いわねえ、女の人はやっぱり違うわねえ。男の人だとこうはいかないのよー」などと言う。
「数カ月前に出産したばかりですから。あの痛みに比べればー」と強がりを言ってしまったが…..。
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その後、しばらく通院。
快くなったと言われたわけでもないけれど「次は○日に来て」と言われなくなったので行くのをやめた。
でも、手術から2ヶ月たった頃、なんだかお尻に違和感を感じ始めた。
もしや再発?と不安になって病院に行くと
「傷口がきれいに付かなかったところがあるね。」と針でチクチク。
再発じゃないのねーと安心して、また2ヶ月後、
今度は下着に血のような小さいシミが!
もしやもしや…..と病院に行くと、「治りきっていない所から出血するんだなあ」と少し切開。
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数ヶ月で痔ろう再発
新たなトンネルが!
その後毎日行くつもりが、仕事が押し寄せたりで、やっと10日ぶりに病院に行ってみたら、
「うーん、奥の方に新しくトンネルが出来ているよ」と、先生の苦し気な言葉。
!!な、なんと!!
というワケでまたもや切開。
お尻は粘膜で出来ているので、奥の方の傷が治り切らないうちに手前がふさがってしまう。
だから、よーく注意をしないと、奥の一大事に気付かないらしい。
今回は保険を使うまでもない1万円でやってくれたが、また痛みとの戦い。
しかも手術から半年での再発には、心底ガックリ。
治しても、治しても、この恐怖から逃れられないのではという不安…..。
何日かおきに通院して、また2ヶ月。
くっいてきた傷口を「手前のきれいさで見落とすんだ。この奥がちゃんとくっいているかが問題」と、おじいちゃん先生がまた少し切るのを何回か経験し、やっと「よくなった」と言ってもらえた。
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でも入浴の時に恐る恐る触ると、しこりがある。
元のやわらかい状態に戻るまでは恐くて恐くてたまらない。
下着も慎重にチェック。
下痢便が原因で細菌が入り込むというので、下痢になるのが恐い。
便がゆるくなると、何をしていてもイライラして….
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痔ろうの手術から数年
あれから何年も過ぎ、なんとか再発することなく無事に過ごせている。
あの時、痛みの中で名付けた娘も大きくなった。
専門外なのに必死に膿を出してくれた産婦人科の院長先生、
何度も何度も念入りに状態を確認してくれたおじいちゃん先生。
あの二人がいなかったらどうなっていたことか。
良い医師に恵まれたと感謝するばかり!
異常に気づいたら、早めの診療を!
痔-webというサイトは痔の説明がわかりやすい。
痔のリスクチェックシートもあるので、活用してみるのもいいかも。
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