インテリアプランニングの仕事に抜擢!でも案内係に戻りたかった

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わりと楽しい。家具店で働く毎日

勉強会だらけの入社当時

現在、ネットで買い物ができる家具店の中には実店舗を持たないところも多いが、昔ながらの「家具屋」の話である。
私はお客様係という札を胸につけて、来店するお客様の相手をしていた。

入社時、同期の数人と共に、毎日のように勉強会に参加していた。
講師となる人は、その時々の勉強内容によって多少変わったが、たいがいは副店長。
置いてある家具の素材や特徴、金額交渉になった時の対応方法など。店舗内で細かく教えてくれるのを、メモを片手に覚えながら歩き回る。

歩き回った後は、契約テーブルのある部屋に集まってまた勉強。お客様に対しての礼儀作法、伝票の書き方など。
そのうち、お客様に上手に説明するには滑舌が良いほうがいいという話になり、みんなで早口言葉を練習し始めたり。
まだ学生気分が抜けない私たちは、そういう時間がとても楽しかった。

案内係も楽しくなってくる

5月の末、近所でお祭りがあり、私たち新入社員はお店の宣伝を兼ねて神輿を担いだ。
半被を着てハチマキを巻いて、ジリジリとした日差しの中を回ったら、みんな汗だくに!
「そんな汗臭いまま店に入ってくるな。銭湯にでも行ってこい」と言われて銭湯に。さっぱりした後に店に戻り、たいした仕事もせずに一日が終わってしまった。

のどかな毎日はしばらく続いたものの、そのうち各々の部署で戦力となって働くようになって、勉強会は終わりを告げた。

案内係として本格的に働き始めた。
先輩は、入ってきたお客様を見て「どの程度の金額のものを買う人か」をすぐに見極める。
大型家具を買いそうだとか、適齢期の娘さんと親の組み合わせだからきっと婚礼家具だ!とか判断する。数人いる案内係の中から空気を読んでスッと誰かが前に出る。
私は何もわからず、そこにいるだけ。小さな親子連れなどが来店すると「きっと二段ベッドだ。行ってやれ」と言われたりした。

ある時、小さな女の子を連れた男性が店にやってきた。また二段ベッドかと先輩の顔をそっと見ると、行け行けという顔をする。
私は、客として店に入った早々に声を掛けられるのは好きではない。好きではないことを、いくら仕事だといってもやりたくない。
お客様が、入口から見える範囲の1階フロアをさっと見てから「この階ではない」と判断してエスカレーターに乗り込むまでは、見るでもなく見ているだけ。
さすがに上の階に行ってしまうお客様をそのままにしていると先輩から叱られるので、エスカレーターで上がり始めた男性と女の子を、何気なさを装いつつ後ろから追った。

私が後から来たのに気づいた男性が後ろを振り返って言った。
「学習机を探しているんですが、2階ですか?」

向こうから声をかけてくれて助かったー。

学習机のコーナーに案内すると、女の子が嬉しそうにぴょんぴょん跳ねた。「うわー!いっぱいある!」
「欲しい欲しい言うもんだからね。時期はずれだから、そんなに置いていないかと思っていました」と男性。

女の子が機嫌が良いこともあって、男性はたくさん話をしてくれた。なぜか自分の仕事の話まで。
「小さな事務所を開いて、コピーライターの仕事をしているんですよ」

「ええー!」と反応してしまった。毎日のように電話で長話をしている友達が、まさにコピーライターとして働ける職場を探していたからだった。

「人を雇おうとか、今は無いですよね?」恐る恐る聞いてみた。
友人がコピーライターの卵で、求職中でという話をしたら「ん?どんな子かな。会って話を聞かせてもらえれば」という驚きの反応!

その後はトントン拍子に話が決まり、友人はそこで働くこととなった。そういう出会いの面白さは忘れられない。

家具に囲まれて仕事ができる幸せ

部屋の雰囲気をうまく出して作ってあるコーナーの家具の配置や調度品の選択に感心したり、同じように見えても素材の違いで価格に差がある家具を見比べてみたり。
店内をウロウロしながら、大好きな家具に囲まれている毎日を満喫していた。

たまにセールの案内で電話係を命ぜられて、電話をかけまくる日もあったが、当時は電話でのセールスがさほど無かったのか、電話口に出てくれる人たちはみな対応が穏やか。
いきなりのセールスなのに「教えてくれてありがとう」と言われたこともあった。

異動でインテリアプランを練る毎日へ

前の店が恋しい日々

そんな、のんびり楽しかった店からいきなり異動になった。
私はたまに、近隣のレストランに頼まれて、テーブルや椅子をレイアウトしたプレゼンボードを作成したりもしていたが、それが上の目に留まったらしい。
「インテリアの提案を本格的にやっている店で今後は働いてくれ」との話。

電車で15分だった通勤時間が、1時間半になった。
やりたかったインテリアコーディネートの仕事。一緒に仕事をする人たちも悪くない。
なのに、それまでいた店が恋しくて、毎日気持ちが沈んでいた。
店に来てくれたお客様の家の図面をもらい、希望を叶えるプランを作る、そんな仕事の面白さはまだわからないでいた。もともとそういう仕事がしたくて、学校でも学んできたというのに。3ヶ月ぐらい引きずった。

本格的な仕事人間に

ようやく吹っ切れた頃、仕事量が半端なく多くなり始めた。
個人のお客様の家のプランニングだけではなくなってきたのだ。ホテルや保養所のプランなどに加え、優雅なお客様の別荘のプランなども加わった。人手が足りなくなり、スタッフが増えた。
店の片隅で仕事をしていたものが、本社に部屋を構えて部署ごと異動することとなった。

今度は本格的にプランニングだけ。打ち合わせや現場採寸で出掛けることが多くなった。
こうしてのんびりした時代は終わりを告げ、本格的な仕事人間となっていったのだった。

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